音楽教職を務める傍ら、トリオを率いてフランスの主流派シーンで活躍し、前作「Ecoutez Moi」もその筋で好評を集めていたコンポーザー型ピアニスト(1973年生まれ)の、トリオによる快調作。曲は本人の自作中心。堅く鋭角な骨芯の強固さと、滑らかな潤い感や透明爽涼さ、を併せ持った美しいタッチでの、熱情を多々孕みつつも表面は比較的スマートにスッキリ整った、モード派の王道らしいハードボイルドめのリリカル・アクション技がフレッシュな魅力を揮った好内容である。スタイル面には適宜多様な変化〜起伏のつけられる、概ねストレートアヘッド・タイプの陰影濃いめ・甘さ控えめな、凛とした躍動的邁進が続き、主役ピアノの、ハンコック型新主流派ピアノのオーソドキシーにキッチリと、先ずは深く根を下ろしながら、程好く幅のあるバリエーション転回も見せてゆく、メインストリーマー肌の滑脱な立ち働きが冴えている。アンニュイな思索性や憂愁っぽさとパーカッシヴな殺陣風の硬質ダイナミズム、が細かに交錯するその筋の典型アプローチ(これがあくまで芸風の基本で最頻出)の他、フォークやポップスを思わせるスピリチュアルな歌謡性の強調された、スウィートめの軽妙リズミカル寛ぎ快演、マッコイ的な灼熱の力学攻勢指向へ寄った疾走敢闘曲、クラシック・ピアノっぽい厳格なメカニズム色も匂う幾何学的グルーヴ調、微妙にファンキーな瀟洒味を含んだ正攻法の旨口スロー・バラード、辺りも中々のアジ。正統派の清新作。
1 Le Soupirail
2 Metamorphose
3 Un Pere Impair
4 Bess you is my women now
5 Merlin
7 La Java de La Luna II
8 5 Boulevard Serrurier
9 Tell me a bed time story
Sebastien Paindestre (p)
Jean-Claude Oleksiak (b)
Antoine Paganotti (ds)
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