NYの主にアンダーグラウンドな尖鋭筋人脈の中で精力的に活躍を続けてきた、ピアノのジェイコブ・サックス(ミシガン州出身)とベースのアイヴィン・オプスヴィク(1973年ノルウェーのオスロ生まれ)、の名コンビ(オプスヴィク率いるグループ:Overseas他で頻繁に共演)による、マット・マネリ&ポール・モティアンという個性的な強者2人を迎えた4者連名での一編。不穏でダークな硬質的スリル&サスペンスを底流させつつの、ピリッとスパイスの利いた強い思索瞑想ムードも濃いリリカル・アクション風の妙演がキレ味シャープに、険しめの表情で毅然と展開してゆく中々の濃密内容である。リズム形式やテンポは曲によってオールラウンドに変化する、詩的情緒性とアブストラクトな厳しさが絶えず同居した、インタープレイ&自由即興の迫真性にも富む「今日流フリー・バップ」風の暗く怪しい道行きが続き、緩急の起伏メリハリも充分の、妖気を孕んだコワモテげな音世界の中で、pやvln(vla)らの、結構華のある即興プレイがスリリングに、清新な見せ場を形作ってゆく。p者の、ゴツッとした鋭角さと冷涼な潤いや滑らかさを併せ持ったタッチによる、現代音楽やニューエイジ系にも通じる幾何学的でクール&パーカッシヴな様式美重視型の精巧プレイ、或いは、モンクやミシャを思わせる変則突起的な荒削りの辛口バップ・スイング技、が中々荘厳に映える一方、vln者の、異形で怪しげだが根底には濃いめのスピリチュアリティや体温っぽさをキッチリ備えた、エモーション溢れる奔放な立ち回り(蠢き)、がp者とは対照的な「情味」をこってりと醸成してまた好インパクト(儲け役か)。ds者の鋭く凄味の利いた機動的暗躍もそこかしこで恐ろしげに際立った、ハードにしてポジティヴな生鮮味一杯の敢闘作。
As We Know It,Two Miles A Day,Evening Kites,Bridge And Tunnel,Savile Row他全11曲収録
Jacob Sacks(p)Eivind Opsvik(b)Mat Maneri(vla,vln)Paul Motian(ds)
在庫有り